SPISのご案内

メンタルケアに対応するクラウド型日報システム「SPIS」とは?

 SPISは、おもに精神疾患などでメンタルケアが必要な方の利用を想定したクラウド型の日報システムです。職場の障害者雇用やメンタル不調者へのサポート、就労系障害福祉サービスの事業所など、さまざまな場面で利用されています。

機能1  ご利用される方それぞれに合わせた評価項目の設定

 SPISでは、ご利用される方それぞれの心身コンディションのバロメーターとなる評価項目を自由に設定し、その評価点を日報に記録していきます。評価点の推移は簡単にグラフ集計できるため、好不調の波や長期的な傾向などが、とても分かりやすく「見える化」されます。

機能2  関係者とのリアルタイムでの情報共有

 クラウド型の日報ツールであるSPISは、関係者と情報共有しながらの運用を前提に設計されています。本人が登録した日報はリアルタイムで関係者が閲覧可能となるため、不調のサインも速やかに共有されます。

機能3  自由コメント欄でのオンライン・コミュニケーション

 日報には評価点の記録欄のほかに自由コメント欄も設けられています。記載されたコメントは、職場のメンターや上長、労務担当者、就労支援施設への担当者なども閲覧設定可能で、本人への返信も可能なため、直接の対面では伝えにくいことも、オンラインでのコミュニケーションが可能となります。

SPISの導入で期待される効果

本人:
・ 自分のコンディションを自分で振り返りやすくなる
・言葉で伝えにくい心身のコンディションも自己評価点で簡易に伝えられる
・直接には伝えにくいことや伝えられなかったことでもコメント欄で発信できる
・職場の関係者や支援者からの返信から安心感を得られる

職場の関係者:
・外見からは分からなかった当事者の気持ちや特性への理解が進む
・当事者との対話がスムーズになり、配慮事項や留意事項が明確になる
・これらの結果、業務効率が上がり職場の雰囲気も良くなる
・最終的に雇用マネジメント全体の質が向上する

就労支援施設の支援職:
・対面での支援だけでは分からなかった当事者の気持ちや特性への気づきがある
・不調のサインに早めに気づけるため、クライシス前の早期介入が容易となる
・支援員同士での情報共有が容易となり、複数の視点からの支援が可能となる


入門講座

Part.1 SPISとはどんなシステム?

Part.2 SPISの活用による効果

Part.3 SPIS活用のポイント


導入事例

オムロン京都太陽株式会社

特定非営利活動法人わかくさ福祉会
障害者就業・生活支援センターTALANT

障害者就業・生活支援センターTALANTの
支援事例(シダックスオフィスパートナー)

導入までのステップと運用例

SPISを導入するまでのステップの導入から6か月間くらいまでの標準的な運用パターンを、以下の動画にまとめました。
雇用現場での導入を想定した動画になっていますが、支援機関で導入される場合も、基本的な流れは同様です。


サービス利用料金

SPISのご利用に当たっては以下の費用が必要です。
※ 当会の会員・賛助会員には会員料金を設定しております。

A:システム導入時の費用

・アカウント開設費用(契約事務手数料、ご利用環境の開設および初期設定、操作説明など一式)
・導入時研修費用(ご要望に応じた導入研修の実施)

B:月額システム利用料

・基本料金:開設アカウントごとにかかる基本利用料
・個別日報利用料:開設アカウント内で日報を作成する利用者の人数に応じてかかる費用

C:専門家による企業サポート

企業実戦アドバイザーによる相談支援(オプション)

費用

一般価格
SPIS一般価格表画像
特別プラン
SPIS特別プラン価格表画像

画像をクリックするとPDFがダウンロードできます。


よくある質問

SPISの導入を検討する時や入門セミナーでよくいただく質問と回答をまとめました。

■ SPISの利用で期待される効果

Q:SPISを導入することで、どのような効果が期待されますか?
A:SPISでは、その方の心身コンディションを反映するバロメーターとなる項目を自由に設定して、4段階の自己評価点を日報形式で入力していきます。これにより外見からは判断しづらい心身コンディションも簡単に「見える化」することができます。また、日報には本人がその日の感想や意見を記載できる自由コメント欄も設けられており、本人をサポートする職場や支援機関の担当者とコメント交信ができるようになっています。

そして、心身コンディションの「見える化」機能は、その方の調子の波やその要因を本人も周囲も把握する効果が期待されますし、コメント交信機能は、コミュニケーションの活性化を通じて本人が「見守られている安心感」を感じ、心身コンディションが安定していく効果が期待されます。さらに、これらの経験はひいては職場風土の改善につながっていくことにもつながるでしょう。詳細は以下リンクのページの動画や資料をご参考ください。
https://www.spis.jp/video_introduction.html
https://www.spis.jp/material.html

■ 導入に至るプロセスについて

Q:SPISを導入するには、どのような手続きを踏めば良いですか?
A:SPIS導入前の相談から導入までのプロセスや、導入後6カ月くらいまでの運用について、以下リンクの動画にまとめましたので、ご参考ください。この動画は雇用現場での導入を想定して制作したものですが、基本的な流れは支援機関での導入を検討される場合も同じですので、十分参考になると思います。

■ 操作に関する質問

Q:SPISはどのように操作しますか?
A:SPISの操作方法は以下のリンクで紹介されていますので、そちらをご参考ください。
https://www.spis.jp/video_use.html

■ SPISを利用する対象者について

Q:どのような方がSPISの利用に適していますか?
A:経験的には、以下のような方へのSPIS導入は、比較的うまく運用されているケースが多いようです。

● 思っていることが沢山あるが、それをうまく伝えられない方
● 会話をする場があまりないなど、自分のことを発信できる場所を求めている方
● 自分のことを理解したいと思っているが、なかなかうまくいっていない方
・調子の波を何かの指標で「見える化」することで、自己理解が進むことが期待できそうな方

逆に、本人が望まないのに支援側の都合でSPISを導入しても、形式的な運用になったり、結局は利用されなかったりするなど、うまくいかないケースが多いように感じます。一方、当初は利用に乗り気でなくても、その方の環境や心身の調子の変化により、後になって利用を希望するケースもあります。

このように、実際に使ってみないと何が本人の役に立つか分からない側面もありますので、まず1か月間お試しで使ってみませんか?という提案をしてみると良いかもしれません。

■ 対象者にSPISを紹介するときの説明について

Q:想定される利用者に、どのようにSPISの説明を行っていますか?
A:パンフレットやSPISの情報サイトにある動画を用いて説明することも出来ますが、お伝えするポイントの例として、以下のような点が挙げられます。

● 心身の調子を自分でチェックすることができる
● 困ったことや直接の対面では伝えにくいこと、伝え漏れたことなども、日報の形なら文字で書き込むことができる
● 日報の記録を基に担当者とコミュニケーションを図ることができる

SPISの利用者を想定するときには、この人に使って欲しい、この人ならこのような効果が得られるのではないか?と思う理由があるのではないでしょうか。そのような想定があれば、それを上記のポイントの例と併せて本人に伝えてみても良いのではないでしょうか。

なお、SPISのパンフレットや説明動画は情報サイトに掲載されていますので、それらは自由にお使いください。また、事務局からパンフレットをお送りすることも可能ですので、必要でしたらお問い合わせください。

■ 日報の返信について

Q:SPISの日報はどのような形で入力されていますか?
A:いろいろな使われ方をしていますが、以下のような運用をされていることが多いです。

当事者:職場や支援機関のPCから入力する場合と、帰宅中や帰宅後にスマホで入力する場合に二分されます。自宅にPCがある方は、帰宅後にPC入力されているケースもあります。

職場や支援機関の担当者:職場のPCで日報を閲覧・コメント入力していることが多いです。

Q:日報の閲覧や返信にどれくらいの時間をかけていますか?
A:これについては絶対的な正解は無いように思います。支援対象者とサポート側の信頼関係が十分にできていて、特に大きな問題も無い状態では、日報の閲覧とコメント返信にかかる時間は数分もあれば十分でしょう。一方で、特に対象者との関係性が十分形成できていない時期や困難な状況が発生している場面では、日報にどう返信するか戸惑うことや、返信に時間がかかることがあるかもしれません。しかし、これらは対象者への理解を深め、対象者にどのように関わっていくべきかを考える重要なプロセスであると考えられます。このプロセスを経ることで、対象者とのコミュニケーションは活性化され、それが対象者に心理的に安全な場を提供することや、対象者の心身コンディションが安定化することにもつながっていくでしょう。

このように必要な場面でコメント返信に時間をかけることはとても大切です。但し、必ずしも日報の閲覧時に即コメント返信を行う方が良いとは限りません。対象者への理解が不十分な時や困難な状況が発生しているときには慎重な対応が求められますから、一旦SPISからログアウトして、冷却期間を設けて考えを整理してからコメント返信した方が良い場合もあります。あるいは、日報への返信ではなく、声掛けや面談の実施など直接の対話が有効な場合もあります。大切なことはSPISの日報を何らかの対話のきっかけにしていくことでしょう。

Q:日報にコメントを返す頻度はどれくらいが適切でしょうか?
A:SPIS導入後の就労継続率と利用者のコメントへの返信頻度の関係を調査した結果では、利用者の日報への返信が週1回以上あったかなかったかで、就労継続率に有意差が出ました。これは、これくらいの頻度でコメント返信が無いと、ご本人が担当者とのつながりへの実感を持てなくなるからではないかと考えられます。ですので、最低でも週1回、できれば週2回くらいは返信しておきたいところです。

■ 困難事例や不安な点など

Q:SPISの運用で難しさを感じるのは、どのようなケースですか?
A:一概には言えませんが、以下のような方では担当者や支援者の方が疲弊してしまう可能性があります。

● 即座の返信や即決策の提示など、クイックレスポンスを強く期待する方
● 統合失調症などで、書いたことが他の方にも漏れ伝わってしまうのではないかという不安を強く持ってしまう方。

SPISのシステム的には、本人の日報を閲覧可能として設定した方しか情報の閲覧はできない仕様になっていますが、上記のような不安が強い方では、SPISの導入は控えた方が良いかもしれません。
ただ、これらのケースでも、何が本人の役に立つかは実際に運用してみないと分からない側面もありますので、「まず1か月間お試しで使ってみませんか?」という提案をするなどの工夫をしてみると良いでしょう。

Q:返信コメントが相手によって合う合わない場合や、本人が特定の言葉にひっかかって状態が悪くなるなど、マイナスの状態になったときに、どのような対処法があるでしょうか?どのように解決していけば良いでしょうか?
Q:本人との関係性がまだ薄い深いなどによっては、支援が悪い方向に行ってしまうことや失敗に終わってしまうこともあるのではないでしょうか。
A:前項でも触れたように、ある範囲でSPISの利用に適さない方がいることは確かです。しかし、どの方がSPISの利用に適しているか適していないかは、実際に運用してはじめて分かる部分もあります。SPISはその方の特性や困難を「見える化」するツールですから、そうして明らかになった支援対象者の特性や傾向などは、SPIS運用の結果として受け止めて対応することが大切ではないでしょうか。
その結果、SPISの利用を中止するという判断も1つの結論かもしれません。しかし、短期間でそのように結論付けることが適切であるとも限りません。上記のような場合に一番大切なことは、実際に本人に会って直接確認してみることです。日報に書き込まれた文章だけでは十分に伝わらないこともありますから、支援が不適切な方向に行ったのではないか?と思ったときこそ、面談を実施するなどして、本人と直接の対話を持つことが重要です。SPISを利用するしないに関わらず、はじめから相手のことを詳しく知っている訳ではありませんし、相手との距離感が近い訳でもありません。SPISは書き言葉が主体のコミュニケーションですので、お互いに誤解を招く方向にもいってしまいかねません。だからこそ、クラウド日報の中だけで相手との関係が出来上がるとは思わずに、その他のコミュニケーション方法も組み合わせていくことが大切だと思われます。

 


お問合せ・連絡先

システムの導入や費用についてなど、詳しくはこちらからお問合せください。

関係団体

システム開発元:有限会社奥進システム
https://www.okushin.co.jp/

支援の提供、担当者の育成:一般社団法人SPIS研究所
https://www.spis.jp/laboratory/

詳しくはSPISのホームページをご覧ください。

 


このページは競輪の補助を受けて制作されています。
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