第1回 仙台

開催概要

日時:
2021年10月26日(火)13:30~17:00 オンライン開催
定員:
30名
対象:
企業、就労支援機関、精神科医療機関、行政機関など、精神・発達障害者の就労をサポートする全てのみなさま

プログラム

13:30~13:40 開会あいさつ
NPO法人全国精神保健職親会 理事長 中川 均
13:40~14:10 話題提供
仙台市障害者就労支援センター はたらポート仙台 チーフアドバイザー 相澤 欽一 氏
14:10~14:35 事例発表①
プルデンシャル生命保険株式会社 ドライデンカスタマーセンター 総務チーム チームリーダー 山内 亨 氏
14:35~15:10 事例発表②
株式会社大場製作所 取締役会長 NPO法人全国精神保険職親会 常務理事 大場 俊孝 氏
15:10~16:10 グループディスカッション
16:10~16:55 グループ発表・まとめ
16:55~17:00 閉会あいさつ
株式会社大場製作所 取締役会長 NPO法人全国精神保健職親会 常務理事 大場 俊孝 氏
  • 仙台市障害者就労支援センター はたらポート仙台 チーフアドバイザー 相澤 欽一 氏
  • 株式会社大場製作所 取締役会長 NPO法人全国精神保険職親会 常務理事 大場 俊孝
  • 第1回仙台ワークショップPDF

事例発表:株式会社大場製作所 取締役会長 NPO法人 全国精神保険職親会 常務理事 大場 俊孝

レポート:NPO法人全国精神保健職親会 三原 卓司

仙台では企業や就労支援機関の担当者が有志の集まり「宮城ダイバーシティ企業連携協議会」(MDK)を結成し、
定期的に情報交換を行うなどの活動を行っています。
仙台でのワークショップは、縁あってMDKの協力を得て開催する運びとなりました。

話題提供:「精神障害や発達障害のある人の雇用を考える際の基礎知識」/仙台市障害者就労支援センター はたらポート仙台 チーフアドバイザー 相澤 欽一氏

代表的な精神疾患について脳の機能障害という観点から、そして診断基準の変化や知識の普及などで注目が増えた発達障害について、
疾患や障害の特徴とそれを踏まえた支援や雇用管理、合理的配慮の提供に当たって押さえておくべきポイントについて解説いただきました。
また、企業がどのような支援を求めているか、それに対して支援機関はどのような支援を提供するべきかについても、重要な視点を提示いただきました。
支援の実践を長年重ねてこられた相澤氏ならではの具体的で分かりやすいレクチャーは、参加者アンケートでも好評でした。

事例発表①:プルデンシャル生命保険株式会社 ドライデンカスタマーセンター 総務チーム チームリーダー 山内 享氏

ドライデンカスタマーセンターは保険事務の心臓部であるバックオフィスセンター。
約300名の職員の内、障害を持つメンバーは22名(うち精神障害3名、発達障害1名)。
本社は東京と仙台の2拠点体制だが、建物の構造上、東京本社でのバリアフリー環境の実現が難しいことから、
障害者雇用の中心になっている仙台のセンターでの取り組みを紹介いただきました。

まず、総務チームが現場でフォローしきれない多面的なサポートを行っており、
それにより上司との信頼関係づくりや支援の専門職との密な連携などが可能になっているとのこと。
また、チームメンバーの配慮事項を理解する“自分の取り扱い説明書”や、
採用時に本人の特性や入社後の業務にマッチするかを丁寧に拾う“マッチング面談”についても紹介いただきました。
こうした取り組みも、支援機関などを繰り返し訪問して情報を集め、トライ&エラーで実践した積み重ねの結果との話でした。
中でも、障害者雇用への理解促進のための社内勉強会を繰り返し行っていることや、
会社が推奨するボランティア活動の活動先に障害者施設を選定し、障害者と触れ合う機会を提供して、
一般社員の障害理解に努めているという話が印象的でした。

事例発表②:株式会社大場製作所 取締役会長 NPO法人全国精神保健職親会 常務理事 大場 俊孝

県北の栗原市にある株式会社大場製作所は、自動車やトラクター、建設機械などのワイヤーハーネスを製造する企業で、
30年も前から精神障害者を雇用しています。東日本大震災の後、取引先から大幅なコストダウンを迫られたことから、
協力事業著としてNPO法人サン・エーを設立、一部の社員をそちらに移行させた経緯があります。
現在、大場製作所とサン・エーを合わせて、管理者を除く45名の内、19名の当事者が同じ工場で働いています。
事例発表では、両事業所の取り組みはもとより、栗原市での活動についても紹介いただきました。
この発表は本ワークショップ事業のホームページでも動画を公開していますので、ご参考ください(該当ページのリンク)。
また、栗原での取り組みは本誌3号でも取り上げていますので、そちらもご覧ください。

障がい者雇用への取り組み

オンライン開催となった第1回の仙台ワークショップでは、
Zoomのブレークアウトルーム機能を利用してグループディスカッションを行いました。
参加者アンケートでは以下のようなご意見をいただいています。

■普段意見交換する機会の少ない企業と支援機関の方同士、あるいは他職種の方の違う視点を通した意見や情報の交換が大いに学びになった。

■今回はこれから障害者雇用を進めたいと考えている企業からの参加が1社だけだったが、
それがもう少し増えると、そういった企業の本音も話し合えたのではないか。

■相談の出来るネットワークがあれば、受入れる企業は多くなってくるのではないか。