第2回 多摩

開催概要

日時:
2022年3月17日(木)14:30~18:00
会場:
オンライン開催
定員:
100名
対象:
企業、就労支援機関、福祉、行政、医療、教育、その他の関係者

プログラム

14:30~ 開会挨拶
TALANT センター長 野路 和之 氏
14:35~15:00 TALANT 支援概況報告
TALANT 北原 未央氏/八町 真理子氏/上條 豊 氏
15:00~15:55 事例報告① 川崎発週20時間未満のやさしい雇用
社会福祉法人県央福祉会 企業応援センターかわさき 所長 荒木 伸義 氏
川崎市健康福祉局障害保健福祉部 障害者社会参加・就労支援課 係長 山田 征子 氏
川崎市健康福祉局障害保健福祉部 障害者社会参加・就労支援課 雇用就労推進担当 小坂 哲郎 氏
16:05~16:50 事例報告② 障害者雇用 テレワークの可能性とは
株式会社D&I 代表取締役社長 小林 鉄郎 氏
16:50~17:05 事例報告③ テレワーク就労訓練の実際
NPO法人わかくさ福祉会 就労移行支援・生活訓練事業所ジネス 就労支援員 晴澤 拓巳 氏
17:10~17:55 ディスカッション~変わりゆく障害のある方の働き方を考える~
進行
有限会社まるみ 取締役社長 NPO法人全国精神保健職親会 理事 三鴨 岐子
パネラー
社会福祉法人県央福祉会 企業応援センターかわさき 所長 荒木 伸義 氏
株式会社D&I 代表取締役社長 小林 鉄郎氏
NPO法人わかくさ福祉会 就労移行支援・生活訓練事業所ジネス就労支援員 晴澤 拓巳 氏
17:55~18:00 閉会挨拶
NPO法人全国精神保健職親会 理事長 中川 均

  • 社会福祉法人県央福祉会 企業応援センターかわさき 所長 荒木 伸義 氏
  • 株式会社D&I 代表取締役社長 小林 鉄郎氏
  • 第2回多摩ワークショップPDF

事例発表:社会福祉法人県央福祉会 企業応援センターかわさき 所長 荒木 伸義 氏

事例発表:株式会社D&I 代表取締役社長 小林 鉄郎 氏

レポート:有限会社まるみ 取締役社長 NPO法人 全国精神保健職親会 理事 三鴨 岐子

 本イベントは、障害者就労・生活支援センターTALANTの企業交流会との合同企画で、コロナ禍のため第1回同様WEBでの開催となった。登壇者を含めた参加者は72名。後半はグループディスカッションで大いに意見交換がなされた。

1.事例報告

 報告① 「障害者就業・生活支援センターTALANT事業報告」 藤岡氏、八町氏、上條氏
 報告② 「川崎発 週20時間未満のやさしい雇用」 川崎市役所 山田氏、社会福祉法人県央福祉会 企業応援センターかわさき 荒木伸義氏
 報告③ 「障害者雇用 テレワークの可能性とは」 株式会社D&I代表取締役社長 小林鉄郎氏
 報告④ 「テレワーク就労訓練の実際」 NPO法人わかくさ福祉会 就労移行支援事業所ジネス 晴澤拓巳氏

 共催である、障害者就業・生活支援センターTALANTの事業報告の後、法定雇用率に反映されない20時間未満の雇用を市内事業者に推進する川崎市の取組と、
コロナ禍で一気に加速したテレワークおよび就労支援事業所における訓練の実態の発表があった。
異なる2つのテーマで盛沢山の内容であった。その後、オンライン参加者がブレイクアウトルームに分かれ、意見交換を行った。

 20時間未満の雇用は、法定雇用率に反映されないため「切り捨てられる(雇用対象とならない)労働」になってしまう、非常にもったいないケースが多いが、そもそも雇用とは組織の中で必要な業務を遂行して、労働者が賃金を得るものであり、カウント前提であることが本質から外れていることを、改めて認識した。この問題に、行政が着目し、切り込んでいるのは素晴らしいケースであるが、一方で「行政でなければ切り込めない」課題であることを思い知らされた。

 川崎市から短時間雇用推進を受託している企業応援センターかわさきは、障害者の就労体験を地域の大学とタイアップして、障害者と学生が共に活動する場を創出するなど、プロセスにも価値があった。
また、ある利用者と企業との短時間雇用契約が終了しても、企業への支援は継続されていくので、企業内に障害者雇用ノウハウが蓄積、周囲の機関との連携が継続していくのも理想的であった。

 株式会社D&Iからは、テレワーク普及の現状と、メリットや課題が情報提供された。
パソコン業務をこなすだけなら、自宅においても遂行可能だが、仕事とは機械的に情報処理するだけのものではなく、
特に精神障害者にとっては、人間関係の構築や孤独感の解消などをどうしていくか、という提言がジネスからもなされた。

 全くの別テーマだったわけだが、それぞれの話題に共通するのは、障害者雇用を法定雇用率達成ではなく、人口減少時代の「人手不足解消」の方策として捉えていることであった。
法定雇用率達成のために働く人はいない。自分の生活のため、自己実現のため、そして社会貢献のためであることを、再確認したワークショップとなった。

2.グループディスカッション

 オンライン参加者と会場スタッフを加えた72名、グループに分かれ、活発な討議が行われた。

筆者が参加したグループは、川崎市役所の山田氏がいたため、就労移行支援機関の職員から、20時間未満就労の推進・運用に関する質問が多くなされた。グループ内では、体調面が万全でない障害当事者でも20時間未満のような短時間勤務よりは長時間勤務を望むのは生活費の不安があるからであるという指摘があり、生活保障の問題は雇用現場の頑張りだけでは解決しないことを共有した。